第一回ちゃぶ端会議報告 (性別役割分業を考え直すチーム)

みなさんこんにちは!
4月21日に、性別役割分業を考える一端として、アンケート結果を元に意見交換を行いました。
今回はこの会議の要旨をお伝えしたいと思います。

題材としたのは2月13日、3月31日にそれぞれ個人のインスタグラムアカウント、ちゃぶじょのTwitterアカウントで行ったアンケートです。参加者は10名で、性別、年代、職業、在住国やちゃぶ女への関わり方も全く異なる人達で意見を交換することができました。

今後もちゃぶ端会議として、継続して開催したいと思います。

アンケート内容

Q…
共働きの家庭で妻と夫の家事育児時間には大きな差がある。しかし現状自分の方が収入が低いしその分家事を多くやるのは仕方ないと思っている妻は多い。これについてどう思いますか?

A…
1.給与が低い分は家事育児をして賄うべきなので当然である
2.給与の高低と家事育児分担の比率は関係ないので平等にすべき

アンケート結果

①Twitter
★ 3月31日 ツイッターでの結果
合計173票が投票され
1・・・14票 8%
2・・・159票 92%

★寄せられたコメント (1番に関するコメントのみいただきました。)

■1番を選んだ人

・給与所得で貢献度を図る家庭運営には反対
・何に価値を置くか、体質や体調、通勤携帯など総合的に話し合われるべき
・家事育児負担のために夫婦双方の転職、転居も検討すべき
・夫も妻も関係なく全ての労働者が平等に伴侶や子らと関わり合いながら暮らせる社会に変わってほしい
・そもそも男性の給与の方が高く設定されているのに、比べられたら女性が不利では?

②インスタグラム
(41名が回答・質問者の身近な日本人の友人男女含)

1・・・7票 20%
2・・・34票 80%

寄せられたコメントには上記と同様のものに加え、収入よりも生活費負担比率で判断すべき、家事育児にかかるストレスや家事を終わらせる能力も考慮すべき、と言った意見もありました。

アンケート項目に対する意見

まずはアンケートに対して、参加者ならばそれぞれどのように考えるのかについての意見共有を行いました。

家庭の事情や夫婦間での話し合いの結果など考慮すべきことは多いものの、やはり全体としては家事分業の理由を所得差におくことには反対意見が多数派でした。

その理由としては大きく3つの意見に大別することができました。以下で詳しく述べていきます。

①収入よりも使える時間を考慮すべきではないか

所得に対して「可処分所得」という言葉が使われることがあります。これは給与としてもらった額のうち、税金などを除いた自由に使えるお金の呼称です。これと同様に、「可処分時間(勤務時間以外の自由に使える時間)」という概念を用いた上で、可処分時間が同等になるように分担すべきではないか、という意見が出ました。

例えば夫は年収600万円、9:00~17:00勤務の一方で妻は年収400万円、10:00~18:00勤務のような例を考えてみましょう。

夫婦の起床時間と就寝時間が同じとするなら、二人の可処分時間は同じのはずです。しかしここで妻の時間が家事に割かれるとするなら、妻のみの可処分時間がどんどん減っていくことになります。
(この現象を、あたかも妻側は二つの仕事についているようだとしてセカンド・シフトという言葉も生まれています。)
※「セカンド・シフト」についてはこちら

つまり年収の多い方が、少ない方の時間を購入しているような構造になるのです。これが果たして夫婦の関係性として健全なのか、という意見がありました。また時間、金銭に加え、精神的ゆとりも家事や育児には必要になります。
これらを総合的に考えるとするなら、やはり円満な家庭(家庭の幸福度の最大化)のためには協力して分担するのが自然な形になるでしょう。

さらに内閣府男女共同参画局が発表している資料によれば、共働きの場合と妻が有業の際に男性の育児や介護への参加率は大きく変わっていません。こういったデータを見てみると、収入差はあくまで理論上の話だけで、現実では主要な理由にはなっていないのでは…という気がしてしまいますね。

②家事を金銭価値に変換することは妥当なのか

家事に値段をつけて考えるとするなら、代行サービスの価格帯が参考になるでしょうか。
家事代行サービスを月に4回利用するなら、月額相場は2〜3万円だそうです。
では毎日利用したとすれば、毎月およそ30万円ほどかかるということでしょうか。
先ほどの家計の例を持ち出すとすれば、夫側は年収の半分以上を妻に支払わなくてはならないという計算です。
さらに食費などの材料費、光熱費等は別料金ですから、現実的ではないと考えるのが自然でしょう。
加えて、「名もなき家事」という言葉が最近多く聞かれるようになってきました。

これらにはどう価格をつけるのでしょうか?

名も無き家事も負担になることは間違いないのですから、価格をつけなくてはならないことに違いはないでしょう。

また、家事代行には育児や介護は含まれているのでしょうか?どこが始まりで、どこが終わりなのでしょうか?妻の年収が上がった場合、夫は家事を分担するようになるのでしょうか?それともさらに高い料金を支払うようになるのでしょうか(経済学の機会費用の考えを導入するなら、妻の時給が上がるほど家事をすることによる妻の損失は増加します)?子供からの評価や愛着も金銭的価値として換算するのでしょうか?もし離婚したとして、親権や自活のリスクは考慮されているのでしょうか?

こういった複雑な考えを全て網羅するような、家事や育児への価格づけはできるのでしょうか。
そしてそこまで考えることは、果たして夫婦間で必要な作業なのでしょうか。

③そもそも社会構造から収入差が発生しているのであれば、女性は家事から逃れられないのでは

現在日本では、そもそも女性の方が収入が低くなってしまっています

出産のタイミングでどうしても仕事から離れざるを得ないことを考えれば、この賃金差を埋めるのは現状の給与制度上どんなに頑張っても難しいことになります。

また男女の賃金差の理由については、性差別による理由のほかに選択の差でもあるとの研究がなされていますが、この「選択」も、必要に迫られてのものなのか、好みによるものなのかはわかっていません (Why Do Women Earn Less Than Men? Evidence from Bus and Train Operators)。

そして現状「家事は女性がするもの」という刷り込みがある社会では、就職の時から女性は働き方をセーブする方向を意識せざるを得なくなってしまいます。家事や育児を担うためには時間外勤務や転勤など、給与アップに繋がるものの家庭に犠牲を強いるような働き方はできません。結果さらに給与差は拡大し、さらに家事負担が増え…と負のスパイラルに陥ります。

収入が少ない方が家事をすることになるのなら、女性は家事から決して離れられないことになってしまうのです。

なぜ家事の分業が発生するか、背景の意見交換

①夫婦関係

さて、今回のアンケートのテーマが給与という数的な判断基準だったため、ここまでの意見では定量的な意見が中心でした。しかしやはり夫婦間の問題ということでより定数的な意見も軽視するわけにはいかないでしょう。
そもそも、夫婦としての関係を形成する際に相手に求めているものは何なのでしょう?
アンケートの結果として上位に上がるものは、「好きな人と一緒にいたい」「精神的な安らぎを得たい」といったものですよね。
そんな相手と家事の押し付け合いをしていたら、結局当初求めていた愛情や精神的安らぎは得られないのではないでしょうか。

今回ロンドンから参加してくださった方からでた興味深い意見として、「ヨーロッパでは結婚において、お互いへのリスペクトを重視する」というものがありました。
逆に家事を担ってもらうための結婚は、リスペクトではなく役割を期待しての結婚ということになります。
自分がお互いに何を求めているのか、そしてリスペクトや愛情・安らぎのためには、お互いを尊重し、互いの成長を目標に支え合うべきではないでしょうか。

②企業・社会の制度

現在の日本の職場では、職場から離れることを悪とする風潮がありますよね。
育休や産休から早く復帰したい、リモートワークがなかなか導入されない、と感じるのも当然のことでしょう。
しかしよく考えると、おかしなことがあります。

例えば留学制度。会社が学費を負担してまで留学に行かせ、留学から帰ってきた社員の出世は確実ですよね。確かに学位がついたりビジネス知識を身につけたことがわかりやすく証明され、社員の能力も向上していることでしょう。

しかし一方で、育児はどうでしょう。全くいうことを聞かない子供を抱えながらマルチタスクをこなし、今後の方針について配偶者と話し合うことで課題設定と問題形成能力が向上します。さしずめ実戦形式でのマネジメント研修、地獄のハードモード版と言ったところではないでしょうか。しかし現状では育休明けには会社に居場所がない、周囲よりも遅れを取っているように感じてしまう…という声が聞かれます。育児経験者が職場に増えれば、これらの重要性も再認識されるかもしれません。

しかし一方で、育休・産休によって収入が減ってしまうため夫婦のどちらかは職場に復帰しなくてはならない、ということもあり、多くの男性が育休を短く切り上げる・取得しない傾向が現状ではあるようです

これについても、そのような選択をしているからいいと諦めてしまっていいのでしょうか。

産後の女性の体は交通事故にあった後に並ぶほどボロボロとも言われています。

「育児」休暇と言われるため、育休中は赤ちゃんだけの面倒をみるんでしょ?とも思われがちですが、配偶者が育休を取ることは産後の女性の体をいたわり、産後うつの防止のためにも重要です。

すでに一部の外資系大企業では、出産・養子縁組と親の性別を問わず12ヶ月の休暇を取れる上に出社も可能、給与は通常通り支払われるという制度を取っています。この制度ならば母体への負担軽減、休暇中の生活の保障が同時に達成することができます。

また産休中の労働を考えれば、全く休「暇」ではなく、会社にいないだけで休「業」という方が正確ではないかという意見も話し合いでは聞かれました。

まとめ

今回の話し合いでは、共働き家庭で家事の分業を収入の多寡を理由に一方がほとんどの家事を担うことが正当化されて良いのか?というアンケート結果をもとに意見交換を行いました。

反対という選択肢は全員共通だったものの、その理由やその後の意見では背景にある社会構造や企業体制にも話が及び、様々な論点が出てきました。

今後も継続して開催していきたいと思っています。
ちゃぶ端会議に参加を希望される方はぜひご連絡ください!

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